1949年の祖父の代での開業から現在に至り、平塚市の地域医療を支えてきた『永瀬医院』。三代目である現院長は消化器外科医として培った高い専門性をいかし、“まちのかかりつけ医”としての役割の他、「内視鏡健診」や「痔の日帰り治療」にも力を注ぐ。ホームドクターとしての役割を維持しつつ、より専門的な医療を提供し続けている。
生稲晃子(以下、生稲)
こちらはこれまでの長い年月に渡って地域医療を支えてこられた訳ですね。
永瀬剛司(以下、永瀬)
はい、平塚市の紅谷町という駅の近くで開業医をやって参りました。2015年の4月に私が院長に就任するにあたり、医院もリニューアルしました。私自身が元々消化器外科医だったので、“地域に根ざした医療”を担うだけでなく、内視鏡を使用した検査や肛門科の治療も積極的に行っています。
生稲
院長の専門分野をいかした診療が加わり、よりパワーアップした再スタートをした訳ですね。一般内科や内視鏡検査など、訪れる患者様の割合はいかがですか。
永瀬
風邪や高血圧などで一般内科を受診される方、胃腸の不調で内視鏡検査を希望される方、痔の患者様がほぼ同じ割合です。内視鏡に関しては、私自身、消化器内視鏡の専門医、指導医の資格を持っており、また、看護師さんも内視鏡技師の資格を有しており、永瀬医院として力をいれている分野であります。内視鏡検査は大腸ポリープや大腸癌、直腸癌、胃癌など治療が必要な病気の早期発見にとても有効です。
生稲
ただ、検診が大切なのはわかっていても、胃カメラの苦痛を考えるとついためらってしまうものですよね。
永瀬
もちろん苦痛の軽減にも努めていて、ファイバーが細く鼻から通すタイプの胃カメラを使用しています。また、それに加えて、十分な鎮静を行い、寝ている間に検査が終えられるよう配慮しています。以前よりは格段に楽に検査を受けることが出来るようになっています。
生稲
内視鏡というと専門性の高い分野ですから、長年の経験が信頼できる診療につながっているのですね。肛門科の治療についても、先生のキャリアがいかされているのではないですか。
永瀬
そうですね。痔だと思って受診され、直腸癌や大腸癌だったという方もいらっしゃるので、その他の疾患の有無もしっかりと確認しながら治療を進めます。昔は、痔は切る手術が主流でしたが、現在は、固める治療の選択肢もあり、日帰り手術も可能です。注射をして痔の部分を固めるのですが、外側の部分はどうしても残ってしまうので、その部分のみを切除するという治療法となります。
生稲
実は私の知り合いにも、痔だと思っていたら大腸癌だとわかったという人がいました。
永瀬
病気はなるべく早い段階で見つける事が大切です。そのためにも早めの検査の重要性が、もっと周知されなければなりません。きちんと定期検診を受ける事も含め、この地元の平塚市で啓蒙できればと考えています。地域医療の中でまだまだやるべき事、やれるべき事はたくさんあります。これからも、ホームドクターとして患者様の健康にしっかりと携わっていきたいと思います。