名曲『鶴の巣ごもり』から名付けられた玉子の形の愛らしいお菓子『いと忠巣ごもり』。黄味餡を高級ホワイトチョコレートで包んだ和と洋の絶妙なバランスのとれたお菓子で、子どもからご年配の方まで人気がある。基本の味をベースに、季節ごとにフルーツなどの様々な味わいが楽しめる。
生稲晃子(以下、生稲)
こちらのお店は明治元年創業だそうですね。
横前忠幸(以下、横前)
初代が曾祖父、私で4代目になりますが、お菓子作りを始めたのは父ですので実際は2代目になります。
生稲
お菓子屋さんを始めるきっかけがあったのでしょうか。
横前
戦後は甘いものに飢えていましたから、そんなところがきっかけなのではないでしょうか。父は戦争から帰って来て昭和22年に独学で始めたそうです。
生稲
一番人気の『いと忠巣ごもり』という商品ですが、こちらもお父様が考案されたのですか?
横前
はい。昭和30年代の中ごろから作り始めたのですが、当時はホワイトチョコレートがあまり知られていない時代で、そんなものがあるのかという感じでした。
横前
問屋さんから「白いチョコレートがあるがこれで何か作れないか。」と言われ、試行錯誤の末に新鮮な卵黄で練り上げた黄味餡と相性が良いことが分かり、黄味餡をホワイトチョコレートで包んだ結果絶妙な組み合わせになったんです。当時は本当に斬新なアイデアでしたね。
生稲
まさに和菓子と洋菓子のドッキングですね。基本の味の他にもバリエーションが豊富ですね。
横前
それぞれの季節に合った餡をくるみ、月ごとにもいろんな味をご用意しています。こちらにいくつかご用意しましたのでどうぞご賞味ください。
生稲
基本の『いと忠巣ごもり』はホワイトチョコレートが薄く繊細で、冷えてパリッとした食感がいいですね! あんも濃厚なのにくどさがないです。『生クリーム巣ごもり』は、生クリームがたっぷりでまるでアイスクリームのような味わいですね。お子様にも喜ばれる味だと思います。
横前
基本の味をベースにいろいろな味を楽しんでいただきたいという思いから開発しました。
生稲
ベースになる味がしっかりしているからこそ、いろんな味が楽しめるんでしょうね。お茶にもコーヒーにも合いますね。贈答品やお土産にもいいと思います。
横前
見た目はとてもシンプルですが味には自信があります。ぜひたくさんの方に味わっていただきたいですね。